地球と宇宙の科学
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ファルコン9のテスト打ち上げ成功:民間による宇宙開発の第一歩



NASAからの委託契約を受けて宇宙船の開発に取り組んでいた米企業 SpaceX 社が、昨日(6月4日)、宇宙船を積んだロケットの打ち上げに、民間企業としては世界で初めて成功した。(上の写真:AFP提供)関係者の間では、宇宙開発の歴史にとって画期的な出来事になるだろうと評価されている。

このロケットはファルコン9といって、SpaceX社が独自に開発してきたものだ。またロケットに積まれていた宇宙船はドラゴンという名のもので、将来は国際宇宙ステーション ISS に物資を提供する役割を期待されている。今回は地球の軌道に約一年間滞在した後、再び大気圏に突入し、燃え尽きさせる計画だ。

NASAでは現行のスペースシャトル計画がまもなく終了することを踏まえ、その後のスペースシャトルの担い手を民間に期待していたが、今回の打ち上げ成功によって、今後の展望が明るくなったと見ているようだ。アメリカがスペースシャトル計画から撤退した後、宇宙開発の前途がどうなるのか危ぶまれていただけに、期待の大きさには格別のものがある。

開発責任者である SpaceX の社長エロン・マスク Elon Musk 氏は、今年の夏には更に高性能のファルコン・ロケットを打ち上げ、来年には国際宇宙ステーションに物資を運ぶ計画を実現させたいといっている。その計画が順調に行けば、二三年以内に有人飛行を実現し、さらに数年以内には、一般人の宇宙飛行という商業ベースの計画も実現させたいといっている。

宇宙開発に民間が参入することによって、宇宙空間はいよいよ一般の人々にも近い存在になっていくと予想される。

なお、ファルコンは映画「スターウォーズ」で出てくる宇宙船「ミレニアム・ファルコン」Milennium Falcon から、またドラゴンはアメリカのポップソング「パフ:不老の龍」Puff the Magic Dragon から、それぞれマスク氏がインスピレーションを受けて名づけたという。







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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2012
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