地球と宇宙の科学
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夏の夜空を彩る天体ショー:ペルセウス座流星群


毎年の夏の夜空を彩るペルセウス座流星群が、今年(2007)は例年に増して鮮やかなショーを見せてくれそうだ。というのも、流星現象がピークに達する8月12日の日曜の夜から月曜の夜明けにかけては新月にあたっていて、月光に邪魔されることがないからだ。昨年はその明るい月光のために、流れ星は明るさを打ち消されてしまったが、今年は暗い夜空を背景に、花火のように鮮やかなショーを見せてくれるに違いない。

日曜日の夜には、一時間に60個ずつの割合で次々と流れ星が現れ、月曜の日の出の頃ピークに達するそうだ。流れ星は肉眼でも十分観察できるので、できれば人工の光に邪魔されない暗い場所、たとえば山の上から眺めるとよいかもしれない。流れ星に加えて、今年は火星も鮮やかな姿を見せてくれるという。

この流星群はスイフト・タトル彗星から出る星屑が地球の大気圏に突入するときに爆発して光るものだ。親の彗星のほうは、133年周期で公転しており、前回地球と接近したのは1992年だが、通り過ぎたあとに膨大な星屑を残し、それが年に一度地球と衝突を繰り返すのである。

星屑には大小様々なサイズがある。小さいものは砂粒くらい、大きいものは石ころくらいだ。小さなものは瞬間的に光り、あまり明るくはないが、大きいものは長い尻尾をつけながら、それこそ流れるように空を横切っていく。過去には、その有様が花火のように派手であったので、驚いた人々がラヂオ曲に駆けつけたこともあったという。

この流星群がペルセウス座と名付けられたのは、ペルセウス座γ星を放射点としているからだ。西暦36年の観測記録があるほど、古くから知られているもので、4800個にものぼる流星の嵐を降らせたこともある。近年になってスイフト・タトル彗星との関連が発見された。

この流星現象は地球上のどの場所からも見られるそうだ。またピーク時を過ぎても、数日間は見られるという。是非、暗い空を選んで、この不思議な天体のショーを楽しんでいただきたい。







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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2012
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