地球から30万キロも離れた軌道を回っているNASAの太陽圏観測衛星IBEX(Interstellar Boundary Explorer)が、太陽系外からやってきた星間物質を始めて直接観察することに成功したそうだ。
太陽を中心とした太陽系は、太陽からあらゆる方向に向かって放出される荷電粒子の風圧が大洋系外からやってきた物質をブロックする膜のような役目を果している。太陽系外からやってきた有害な荷電粒子が太陽系の膜によって遮断されているわけだ。ところが星間物質の中には、荷電していない中性の原子があって、これは太陽圏の膜を突き破って太陽系内に侵入してくる。今回はこれをIBEXがとらえたということだ。
NASAの研究チームは、今回捕らえた水素、酸素、ネオンの中性原子のデータをもとに、星間空間からやって来る酸素とネオンの比率を、太陽系内本来の酸素とネオンの比率と比較した。その結果、太陽系は周囲の星間空間よりも酸素を多く含むということが明らかになったそうだ。
また、IBEXのデータを詳細に分析することで、銀河系内の太陽系の位置を、これまで以上に正確に探ることができるということだ。(写真はかに星雲の超新星の残骸、星間物質はこれらの残骸のかけらからなっていると思われる:NASAから)
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