地球と宇宙の科学
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ブラック・ホールの誕生 SN1979C



アメリカ、メリーランド州の学校教師が1979年に観察した超新星爆発は、新しいブラックホールを誕生させていた、こんな事実が最近、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)などの研究チームによって確認された。

研究チームの観察によれば、この超新星SN1979Cの残骸には、ある特別の質量空間があって、それが周囲の物体を猛烈な勢いで飲み込んでいる。これまでの観察結果では、この空間が飲み込んだ物質の質量はほぼ地球の質量に匹敵するという。こんな大量の質量を飲み込むのはブラック・ホールのほかには考えられないところから、新しく誕生したブラックホールであることが確認されたわけである。

この発見によって、我々人類は始めて、ブラックホールの誕生現場に立ち会っていたということになる。今後この発見を足がかりに、ブラックホールについての科学的な研究が飛躍的に進むと期待される。

なお、このブラックホールは太陽のほぼ5倍の質量を持ち、また、この超新星爆発を引き起こしたもともとの星は、太陽の20倍以上の質量を持っていた。だいたいこれまでのブラックホール理論を支持する数値だ。

上の写真はこのブラックホールが存在するM100星雲のイメージ、地球から5000万光年離れている:チャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)と欧州南天天文台(European Southern Observatory、ESO)の大型望遠鏡VLTのデータを合成して作成された。







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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2012
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