地球と宇宙の科学
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暗黒物質からなる銀河 Dark Matter Galaxy



我々の銀河系にとっての伴銀河の中に、暗黒物質でできた銀河がある可能性を、カリフォルニア大学バークレー校の天文学者スカニヤ・チャクラバーティ(Sukanya Chakrabarti)氏が突き止めた。

その矮小銀河は、天の川銀河の円盤の外周部に位置し、地球からは約26万光年離れていると見られる。もし存在が確認されれば、暗黒物質銀河としては、初めての発見となる。

暗黒物質とは、宇宙の構成要素を説明するための、仮説上の物質だ。

水素やヘリウムなど我々が実在に疑いを持たない確固とした物質のほかに、宇宙には我々にとっては全く見えない物質が存在する、それが暗黒物質といわれるもので、宇宙を構成している物質(質量)の80パーセント以上を占める。

暗黒物質が見えないわけは、自らは光を発せず、また光を反射することもないからだ。ただ質量として重力を持ち、それが周囲の天体に影響を及ぼすことから、間接的に存在が確認される。チャクラバーティ氏の場合も、見えないところに働いている強力な重力の影響を観察することから、今回の発見につながった。だが、まだ理論的な仮説としての域をでていないので、実験によってその存在を証明したいと、氏はいっている。

(上の写真は天の川銀河、この銀河の先に暗黒物質でできた銀河Xが存在すると推測されている:ナショナル・ジオグラフィック)







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