地球と宇宙の科学
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天の河銀河を含む超銀河団ラニアケア



宇宙は無数の銀河からなっている。しかして、個別の銀河が一定数集まって銀河団を形成し、その銀河団が更に集まって超銀河団を形成する。超銀河団の内部では、銀河はある程度密集しているのに対して、超銀河団と超銀河団の間の空間は空虚な部分になっている。重力の関係でそうなると考えられている。

そこで、気になるのは、我々太陽系が属する天の川銀河が、どのような銀河団に属し、それがまたどのような超銀河団に属し、さらにその超銀河団が、宇宙のどんな場所に位置するか、ということだ。このたび、この問いに対する答えを出した研究グループがある。ハワイ大学のブレント・タリー氏が率いる国際研究チームだ。

氏によると、天の川銀河の属する銀河団は、ラニアケアという名の超銀河団の端にあるということだ。ラニアケアとは、氏が名づけた名で、ハワイ先住民の言葉で「無限の天球」を意味するのだそうだ。

上の映像(ナショナル・ジオグラフィックから)を見て欲しい。オレンジ色の線で囲まれた部分がラニアケア超銀河団で、我々の天の川銀河が属する銀河団はその右端(画面中央の黒い点)に位置している。ラニアケア超銀河団は10万個の銀河団からなり、直径5億光年もの大きさを誇るという(ちなみに宇宙全体の大きさは、直径900億光年以上だという)。

この地図で白く塗られた線は、銀河団が移動する軌跡を示している。個々の銀河団は、超銀河団重力に吸い寄せられる形で、周辺部から中心部に向かって移動すると考えられている。究極的には、超銀河団を構成するすべての銀河団が中心部で合体し、巨大なスケールの融合現象が生じるものと予想される。





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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2012
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