地球と宇宙の科学
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Wide-Field Infrared Survey Explorer (WISE)




昨年(2009)12月に打ち上げられた NASA の宇宙探査衛星 Wide-Field Infrared Survey Explorer (WISE) が、さまざまな画像をもとに、今まで知られていなかった宇宙の姿を明らかにし始めた。

この衛星は、直径16インチ(40センチ)のレンズを装着した赤外線カメラを装着している。カメラは11秒ごとにシャッターが切られ、既存の望遠鏡では見ることのできない画像を撮影し続けている。こうして得られた膨大なデータを基にして、NASA は、詳細な宇宙マップの作成という壮大なプランに挑戦している。プランは衛星の頭文字をもとにして、WISE ミッションと呼ばれている。

いままでの成果の中でもっとも着目すべきは、太陽系の中の小惑星の分布図を作り上げたことだ。それによるとこれまで人間の目には見えなかった小惑星が25000個も見つかったという。これらの惑星の多くは火星と木星の中間の軌道に存在するとされ、地球に近いことから、将来は地球との衝突も懸念されている。もっともその可能性は早くとも3000万年先のことだというから、とりあえず恐れることはないそうだ。

もうひとつの大発見は、宇宙の先端にある銀河を捉えたことだ。(上の写真:AP提供)この銀河は地球から100億光年かなたにあり、当然宇宙創成期の姿をそのまま保存していると推測される。

WISE ミッションは始まったばかりだ。それなのに早くもこんなどえらい仕事をしている。この調子で順調に進めば、宇宙の詳細な地図が作成されるのも夢ではない。







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