地球と宇宙の科学
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ヒッグズ粒子発見へ一歩前進:CERNの二つの研究グループ



量子物理学を構成する単位の中で、いまでに発見されていない唯一のものであるヒッグズ粒子の存在を垣間見たとする研究結果が、欧州合同原子核研究機関(CERN)の二つの研究グループによって発表された。

発見ではなく垣間見たというのは、ヒッグズ粒子そのものは直接見ることができず、その行動の痕跡をたどる事しかできないことによる。今回の研究では、「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」という実験装置を使って、陽子と陽子を高速で衝突させ、そこから出てくる粒子をそれぞれ分析した結果、この粒子の存在を示す痕跡が見つかったということのようだ。まだ存在を決定づける程の精度は得られていないため、最終的に存在を確認できたとまではいえないとしている。

ヒッグズ粒子は1964年にイギリスの物理学者ヒッグズ氏がその存在を予言した。なかなか発見することができないので、当初はGoddam(忌々しい)粒子と云われていたが、いつの間にかGod(神)の粒子と呼ばれるようになった。

量子物理学によれば、物質の究極の単位はクォークとレプトンと呼ばれるもので、それぞれ6種類ずつある。これらを結びつけるのは、グルーオン、光子、wボソン、zボソンからなるゲージ粒子である。これらに対して物質に質量を付与するのがヒッグズ粒子ということになる。

ヒッグズ粒子にまつわる研究は宇宙創造の説明にもつながるといわれる。ビッグバン直後には、宇宙にはクォークやレプトンがばらばらに存在していたものと想像され、それがゲージ粒子の助けを借りて結びつき、ヒッグズ粒子の介在によって質量をもつようになったと想像される。(表は、高エネルギー加速器研究機構<KEK>のHPから引用)







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